八木和彦: 2010年12月アーカイブ

花巻での最後の日。

 

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照井菓子店(7/15撮影)

 

11:55発の飛行機で帰ることになっていましたが、

チェックアウトを済ませ、

旅館向かいの照井菓子店(ここはかつて「心象スケッチ 春と修羅」を

印刷した「大正活版所」でした。)で

名物の団子(経木まんじゅう)を買ってから、

最後にどうしても行きたかった林風舎へ行きました。

 

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そしてオーナーの宮澤和樹さんとお話することができました。

(宮澤和樹さんは宮沢賢治さんの弟・清六さんのお孫さん)

 

 

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小学館の雑誌「サライ」7月号(今年)は

「宮沢賢治を旅する」という特集でしたが、

その中の「賢治が愛したイーハトーブの原風景」という記事の中で

宮澤和樹さんの言葉が紹介されています。

 

(「イーハトーブとは・・・ドリームランドとしての日本岩手県である」

              宮沢賢治著「注文の多い料理店」広告文より)

 

 

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宮澤和樹さん(サライ7月号より)

 

 

「賢治さんは今生きているこの世界を、現実のドリームランドにしたかった。

それはユートピア(理想郷)とは違います。

理想郷は、手の届かぬ架空の世界ですから」

 

お会いしてお話する中で、

和樹さんは賢治さんの遺志を継いで

故郷花巻、岩手県、そしてこの世界をドリームランドにするための

お仕事をされているのだと感じました。

 

宅地開発や道路建設その他で

賢治さんの原風景が失われつつある現状の中で、

どうすればドリームランドは実現するのか、

というような内容のお話をしました。

 

旅館「御宿 玉川」のご主人Tさんから

花巻市街地の「大正ロマンによる活性化」

つまり賢治さんがおられた時代の雰囲気を再現しよう

という計画が、地元の商工会にあったけれども、

現在は進展していない、と伺いました。

 

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このように世の潮流は

まだまだ近代化の方向にあるのでしょう。

宮沢賢治さんが目指したドリームランド化とは

逆の方向に行っているようにも思えます。

 

私も、物心ついた頃に高度成長期に入ったので、

なつかしく大切なものたちを失う悲しみを

味わい続けてきました。

だから私の制作のテーマは「郷愁」であったのです。

 

「郷愁」というテーマの中で、

私が求めたものは、

宮沢賢治さんが求めた「ドリームランド」と同じだ、と

(あつかましいようですが)自分では思っています。

 

宮沢賢治さんの時代はまだそれを未来の方向に

作り出す希望があった。

けれども私が生きた時代は

あまりにもその要素が失われたため、

過去の方向に求める「郷愁」となってしまった・・・

 

しかしなつかしいものを求める過程の中で、

私が求めるものは「今、ここで」得られるものであることに気付きました。

(昨年出版した作品集「郷愁 ―こころのふるさとを求めて―」のテーマはそこにあります。)

 

 

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「形よりも意識が大切」だと

宮澤和樹さんは仰いました。

だからひとつのモデルとしてこの「林風舎」を作ったのだと・・・。

この世界を本当に宮沢賢治さんの目指したドリームランドにするためには、

今ここで自分にできることを

誠実に実行することが大切なのだと思いました。

 

宮澤和樹さんとのお話の中で、

私がこのたび6日間花巻に滞在しての感想を申し上げました。

 

19~17年前に来たときに比べて

失われたものも多いと思ったけれども、

花巻は、徳島と比較にならないくらい

古くからの良いもの(普遍的なものとも言えるかもしれません)

が残っているし、

大堰川プロムナードのように真の「ドリームランド」につながるような

新しくできた良いものも見受けられた・・・

これらは宮沢賢治さんが

そしてその遺志を受け継ぐ人々が

花巻にたくさんおられるからこそであると思います。

つまり私にとって花巻は

ドリームランド ― イーハトーブ が

すでに実現している地であると感じられました、と。

 

 

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花巻駅にほど近い旅館に泊まって

私は毎朝花巻駅から流れてくる「精神歌」のメロディーを聴きながら、

しみじみと幸せを感じていました。

 

 日ハ君臨シ カガヤキハ

 白金ノアメ ソソギタリ

 ワレラハ黒キ ツチニ俯シ

 マコトノクサノ タネマケリ

 

この曲が毎日流れていることだけでも、

私にとっては奇跡のように感じられました。

 

歌詞を知る人々は

このメロディーを聞くたびに

その内容が無意識のうちに心に刻まれていくでしょう。

しかしそれは洗脳というインプットではないと思います。

 

宮沢賢治さんは「感性の人」であると思います。

世界の「感じ方」を教えてくれる人、

そして私に「人間にとって最も大切なもの」を「感じる」ことを

教えてくれた人です。

 

賢治さんの作品は、

人々の心の奥深くにある大切なものを

引き出すための呼び水ともなるものです。

 

心の奥深くにある真の自分、

そしてそのような心の深いレベルでつながっているすべての大切なものを

アウトプットしてくれるものだと思います。

 

 

 

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「すでにドリームランド ― イーハトーブ である花巻」のことを

心の底から愛おしく感じられたのは、

花巻での最後の夜、御宿玉川さんの一室にいて、

隣にある柔道場の、明かりのもれる古い窓枠を見ながらのことでした。

 

宮沢賢治さんの影響でシャレたものも多いのですが、

あかぬけていない(決して失礼な意味で言っているのではありません!

「飾らない」「ありのままの」というようなニュアンスです。)

ところも多く見かける花巻です。

 

しかしあかぬけないところにこそ大切なものが潜んでいる、

と私は思います。

それは時流に乗らない、時間を超えて存在する、

この上もなく尊いものです。

 

宮沢賢治さんもそのような視点を持っていました。

 

「どんぐりと山猫」の馬車別当、

「月夜のでんしんばしら」の電気総長、

「なめとこ山の熊」の淵沢小十郎、またその老母、

「虔十公園林」の虔十

などはそれを象徴するような存在です。

 

自然界、また人間界の中にあるそのようなものたちを大切にすることにこそ、

ドリームランド実現のカギがある・・・

また自らの中にもあるあかぬけないものの中にこそ

大切なもの ― 真我 ― 宇宙意識につながるものが

潜んでいることを認め、

それを素直に、単純に、しかし力の限りに

大切にしようとすることこそが

ドリームランド、ひいては「ほんとうのさいわい」を

現実にするカギである、と思います。

 

 

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人からも自然からも大歓迎されたように感じた

花巻への旅でした。

 

6日間という短い期間に、

形にするには何年もかかるだろうと思われるほど

たくさんの創作の種をいただきました。

 

 

そして徳島に帰ってきて・・・

 

 

見つかる、見つかる!

 

身近なところに描きたいものがたくさん見つかるので驚きです。

 

花巻とは比較にならないくらい

徳島は古くからの良いものを失ってしまった、

というのは事実ですが、

花巻という地にすでに実現している

ドリームランド ― イーハトーブ を見つけたその目で見直せば、

徳島という地にも

ドリームランドが潜んでいるのが見えるのです。

 

以来頻繁に近所を散歩して

すばらしい光景をたくさん見出し、

たくさんの作品が生まれています。
 

 

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花巻旅行以降に手がけた作品

 

 

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制作中の作品

 

 

 

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花巻への旅は、

 

「ドリームランドを実現する最大のコツは、

すでにそこにあるドリームランドを見出すこと」

 

であることを、私に教えてくれました。

 

 

 

(「花巻への旅」おわり)

 

 

終日滞在できる最後の日となり、

やり残し、悔いがないよう、

花巻でしたいと思っていたことは

すべてやり尽くしたいと思いました。

 

ひとつは「風の又三郎」のモデルになった場所

― 特に分教場のモデルを実際に見ること、

 

(様々な説がありますが、花巻市大迫町はそのうちのひとつ

といわれていることを駅の観光案内所で教えていただきました。

また、宮沢賢治記念館で催されていた企画展

「早池峰山と賢治 いにしえの残丘幻想」の資料の中にあった

「早池峰の山々と賢治作品」は大変参考になりました。)

 

もうひとつは、

もう一度行ってみたいと思いながら

このたびまだ行けていなかった

詩碑のある場所(羅須地人協会跡)と

イギリス海岸(賢治さんが教え子を連れてよく行った

北上川畔の凝灰質泥岩が時に川面に露出する場所)、

 

そして1日目に行ったものの、是非もう一度行きたいと思った「林風舎」です。

 

花巻駅からバスで50分ほどの大迫(おおはさま)町は、

帰りの最終バスが13:50なので、

花巻駅発9:24のバスには乗っていきたいと思いました。

そのため8:00に文化タクシーさんに来てもらい、

詩碑とイギリス海岸を回りました。

 

詩碑は、宮沢賢治さんが理想の社会実現のために始めた

農民のコミュニティー「羅須地人協会」の拠点となった

宮沢家の別宅跡地に建てられています。

 

郊外の林の中にある不思議な空間で、

1991年に初めて訪れたとき、

この場でインスピレーションを得、

いくつもの作品が生まれました。

 

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「羅須地人協会跡にて」1994

 

 

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「風とゆききし雲からエネルギーをとれ」1997

 

この地に立つポールに書かれていたこの言葉

(宮沢賢治著「農民芸術概論綱要」の中の言葉)

に触発されて出てきたイメージをもとに描いた絵です。

 

 

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1991年                        現在

 

 

今では風雨にさらされてその文字もほとんど消えてしまっており、

19年という年月を感じました。

 

 

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タクシーの運転手さん(文化タクシーのFさん、お世話になりました。)が

「まだ時間に余裕がありますよ」と言ってくださったので、

「下の畑」(宮沢賢治自耕の地)まで行くことにしました。

 

 

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そしてそこが北上川のほとりであることに改めて気付きました。

 

 

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何の変わったところもないところかもしれませんが、

私にとってはなつかしい感じがする、

不思議に落ち着く場所でした。

「イギリス海岸」はそこから5㎞くらい北にあります。

私は川面に露出する泥岩層を見たことがありませんが、

ここも花巻に来るたび訪れたくなる場所です。

 

 

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今回は対岸の風景にも惹かれ、

是非またスケッチに行ってみたいと思いました。 

 

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花巻駅前バス乗り場の様子です。

 

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絵にも描いてみたくなる、

なんだかなつかしい情景です。

こんななつかしさを感じられるのも

花巻の魅力のひとつです。

 

花巻駅9:24発、

10:09に大迫バスターミナルに着きました。

宮沢賢治さんはたびたび早池峰山に登り、

そこで多くの詩や童話が生まれていますが、

大迫町は登山の拠点となったところで、

賢治さんとは深い縁のあるところです。

 

 

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大迫町

 

 

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まず 「早池峰と賢治」の展示館(旧稗貫郡役所を復元した建物) を訪ねました。

旧稗貫郡役所は、童話「猫の事務所」のモデルになった建物ともいわれているそうです。

 

 

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内部もなつかしい雰囲気・・・

 

 

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1階展示室には猫の事務所のキャラクターが・・・

 

 

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2階には昔なつかしい教室が再現されていました。

(他、賢治さんが定宿にしていた旅館の一室の復元展示もありました。)

 

展示を見させていただいた後、

1階町民室で観光案内もしておられる職員のTさんに

「風の又三郎」に出てくる学校のモデルになったともいわれる

火ノ又、沢崎分教場跡に行ってみたいのですが、

このあたりにタクシーはあるのでしょうか、と伺うと、

「よかったら私の車で行きましょう。」との信じられないようなお言葉!

恐縮しつつもご案内をお願いすることにしました。

 

車で少し走ると、そこはいかにも「風の又三郎」の舞台でした。

 

 

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晴れ間も見えて、山、川、草木が輝き、歓迎してくれているよう・・・

 

 

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車の中からも夢中で写真を撮りながら進みます。

 

 

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そして到着した火ノ又分教場跡。

 

 

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Tさんはその上手、田んぼの中に湧く泉に案内してくれました。

 

 

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「風の又三郎」の冒頭に出てくる、

運動場の隅にある「ごぼごぼつめたい水を噴く岩穴」

のモデルではないかということです。

 

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分教場跡の前には、お話のとおり美しい谷川が流れていました。

 

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これまで想像するだけだった「風の又三郎」の舞台のイメージが

とても具体的になってきました。

 

 

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モリブデン鉱採掘坑跡がある「猫山」への登り口付近

 

 

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確かこれが「猫山」だったと思うのですが・・・

Tさんは本当にご親切にいろいろお教えくださったのですが、

メモを取らず写真ばかり撮っていたので

はっきり覚えていないこともあります。

(間違っていたら申し訳ありません。)

 

 

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「風の又三郎」のお話にも出てくるたばこ畑

 

 

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沢崎分教場跡。

ここが「小さな学校」のモデルだという説もあるそうです。

 

このほかたくさん写真を撮りました。

これらをもとにそのうちあのお話の世界を絵にしてみたいと思っています。

 

Tさんは全くの無償で、2時間近くもていねいにご案内くださいました。

このように花巻ではたくさんの方々に本当に親切にしていただきました。

皆様本当にありがとうございました。

 

 

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大迫バスターミナルも

なんだか子どもの頃にタイムスリップしたようなところでした。

 

13:50発

花巻駅前14:40着。

ここでおみやげを買おうと林風舎に行きましたが、

残念ながら定休日でした。

 

 

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(15:00)

そこで花巻駅前「なはんプラザ」の

銀河鉄道の夜をモチーフにした時計のからくりが動くのを見てから、

急きょタクシーでイーハトーブ館へ行き、

おみやげや資料を買いました。


 

16:00、

朝もお世話になった

文化タクシーFさんに来ていただき、

朝行ってみたいと思ったイギリス海岸の対岸に

連れて行ってもらいました。

 

そこはやっぱり!

とても絵を描きたくなる場所でした。

Fさんにしばらく待ってもらい、

短時間で3枚スケッチをしました。

(下はその後加筆したスケッチ。現在制作中。)

 

 

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その後旅館に帰る途中、

Fさんのご案内で、

理髪店を営みながら絵を描いておられる

滝田恒男さん宅を訪ねました。

 

 

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理髪店の2階が私設美術館になっており、

宮沢賢治さんゆかりの風景や

賢治さんの生き様を表す心象画が所狭しと並べられていました。

 

タッチに勢いある、空気感にあふれた風景画、

自由にのびのびと描かれた心象画でした。

「絵が下手だろうが、上手だろうが関係ない、

賢治が感じた空気にふれながら絵を描き、

賢治と時間を共有する、至福の時なのです」

とは滝田さんの言葉ですが、

自らの故郷でその原風景を、描くことを通じて大切にしていく

その生き様にはとても共感し、また学ぶべきものがありました。

 

 

 

 

この日はもう一度大堰川プロムナードや市街地を歩き、

名残を惜しみました。 

 

下は花巻駅近く(大通り2丁目あたり)の風景 

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1991年                          現在

 

 

上の写真の道を入っていったところに古い映画館がありました・・・ 

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1992年                          現在

 

ゴーシュが勤める活動写真館のようだと思ったものですが、

今はもうなくなっていました。 

 

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1991年

 

これも花巻駅近くの風景ですが、

この趣ある建物もなくなっていました。

 

 

 

 

けれども、まだまだ私にとって魅力のある風景はたくさんみつかりました。

 

 

 

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次回に続く) 

 

この日は朝から雨でしたので、

午前中は旅館の部屋でスケッチに手を加えたり、

水彩やパステルで色をつけたりしました。

 

 

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御宿 玉川  (7/16撮影) 

 

このたび、とても温かいおもてなしでお世話になった

旅館「御宿 玉川」さんには

画家・向井潤吉さんも定宿にして

制作をされていたとか・・・ 

 

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このように広い部屋をいただいていたおかげで、

とても自由に快適に過ごすことができました。

 

 

岩手県で宮沢賢治さんゆかりの地と言えば、

盛岡他たくさんあるのですが、

今回の旅は、とにかくゆったりとした時間を作り、

制作に向かうためでしたので、

あまり動かず、歩ける範囲くらいで

花巻をじっくり味わおうと思っていました。

 

けれどもこの日は外でスケッチもできにくかったので、

宮沢賢治記念館のIさんからお勧めがあった鉛温泉あたりに

出かけてみることにしました。 

 

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花巻に着いた日に駅の観光案内所で目にとまった

大沢温泉で開かれているイベント

「昭和の学校」にも惹かれたからです。

 

 

花巻駅からバスで30分くらいで

鉛温泉 藤三旅館に着きました。 

 

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湯治のため長期逗留する方々のための自炊宿「湯治部」棟も備える

藤三旅館は、独特の雰囲気のあるちょっと不思議な建物でした。

 

 

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藤三旅館湯治部

 

 

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藤三旅館もよかったのですが、

近くにあった廃屋にも惹かれました。

「月夜のでんしんばしら」の絵のモデルになりそうな電信柱もあり、

来てよかったと思いました。

 

 

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バス停から見た山

 

童話「なめとこ山の熊」のなめとこ山は、

このまだ奥にあるそうですが、

その雰囲気は幾分か味わうことができました。

 

 

 

この後バスで6分ほど(花巻寄り)の大沢温泉にも行きました。

 

 

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山水閣

 

 

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旅館に降りていく道を脇に入ったところに

 

 

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金勢神社と

 

 

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かつて旅館付きの映画館兼劇場であった建物で

「昭和の学校」という展示会が催されていました。

 

 

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子ども時代を思い出すなつかしいものたちがいっぱいでしたが、

2階の映写室の雰囲気にはワクワクするものがありました。 

 

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雨にけぶる渓流と灯のともる温泉旅館は

「別世界」とも言えるような場所でした。

 

16:07にバスに乗り、また花巻駅に向かいましたが、

途中「ポラーノの広場」の舞台でもあるかのような

(そのように「私が勝手に感じる」ということですが)

風景をいくつも見、バスの中から何度もシャッターを切りました。 

 

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 「つめくさのあかり」1993

 

 

 

16:33花巻駅着。

 

 

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雨もほとんどやんでいたので、旅館近くを散歩しましたが、

独特の建物に惹かれて迷い込んだところが、

また是非歩いてみたいと思っていた大堰川プロムナードの入口でした。

 

 

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不思議なガラス張りの水車小屋があり、

静かな通りを歩いていると

両脇の家の屋根ではカラスが出迎えてくれ、

そこもひとつの別世界。

町中を通る秘密の通路といった趣がありました。

 

 

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花巻市役所付近でプロムナードから地上の道に上り、

夕食のため「源喜屋」さん(下の写真右)に行きました。

 

 

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花巻の銘柄「白金豚」を生産する「高源精麦」の直営料理店です。

社長さんが賢治さんの童話「フランドン農学校の豚」を読んで、

殺生に対する深い洞察に感銘を受けたことがきっかけとなって

生まれたのが「白金豚」だそうで、

「白金豚しゃぶしゃぶ鍋」「カマンベールフライ」「ピリ辛冷奴」は

涙が出るほどおいしかったです。

一人でぜいたくな食事をしながら、

妻や子どもたちも連れてきてあげられたらどんなにいいだろう、

と思うと文字通り涙が出ました。

 

 

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お店ののれんもこの通り(左・どんぐりと山猫、右・銀河鉄道の夜)

宮沢賢治さんの童話がモチーフとなっており、

こんなところまで、と思うほどに強い

この地における賢治さんの影響力を思いました。

 

 

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夕食後はまたちょっと足を伸ばして

花巻駅から北に向かう道路の壁面に

ブラックライトで浮かび上がる壁画

「未来都市銀河地球鉄道」を見に行きました。

 

 

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夜の「御宿 玉川」

 

帰って旅館ではKAGAYAさんのCGアニメーション「銀河鉄道の夜」

のDVDを見せてもらい、

そのCGの質の高さに驚きました。

 

 

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雨が降ったからこそいろいろな出会いもあって

とても充実した一日となりました。

 

次回に続く)


 

再び宮沢賢治記念館に行く前、

JR花巻駅周辺を散歩してみました。

 

 

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駅の南西には工場がありましたが、

とてもなつかしいたたずまいで、

私が幼かった頃の風景を見るようでした。

 

 

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このような建物をとても愛しく感じます。

今でもこういうものがあるということは

とても尊いことだと思います。

 

 

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その西側に「市民の家・婦人会館」を見つけました。

 

 

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これも昔の学校を彷彿とさせるような建物で、

こんななつかしい景色が見られるのも

花巻の魅力のひとつだと思います。

(地元の方々にとっては何でもない風景なのかもしれませんが...)

 

 

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こんな看板も、あまり雪の降らない徳島育ちの私には

新鮮に感じられます。

 

 

 

その後駅の東側にあるイトーヨーカドーまで歩き、

そこからバスで宮沢賢治記念館まで行きました。

 

 

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宮沢賢治記念館

 

賢治さんの童話に登場する「おきな草」の寄贈があったということで、

職員の方々は総出で、このとき何百本ものおきな草の苗を

敷地内に植え付けておられました。

 

 

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植え付けられたおきな草

 

 

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おきな草のアートフラワー(童話村・賢治の教室)

 

 

館内におられた

出張講演に行かれる前のU副館長さんがご対応くださいました。

穏やかに話される方でしたが、

その後、宮沢賢治さんの詩を朗読(暗誦)しておられるビデオを見てびっくり。

まるで人が変わっていて、堂々とした「役者」という感じでした。

 

その後ベランダで前日のスケッチに水彩で色をつけているとき、

お電話をくださったIさんが来られました。

記念館の向かいにある(注文の多い)レストラン「山猫軒」に

いい景色が見える席をとってくださったとのこと、

昼食後にそこでスケッチすることができました。

 

 

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窓からの景色「山猫2号軒で一服する山猫博士」(スケッチに後に色をつけたもの・制作中)

 

 

昼からも記念館事務所でT館長さんから、

花巻の自然を撮影された写真の数々を見せていただいたり、

貴重なお話をお伺いすることができました。

Iさん、Oさんからは私の作品集についての

うれしいご感想をいただけましたし、

(ゴーシュの絵はがきを喜んでくださったN子さんにも感謝!です。)

記念館名物のレモンスカッシュまでごちそうになって、

本当に至れり尽くせり・・・

16:00頃まで長居をしてしまいました。

 

私にとっては遠い憧れの地、花巻で

知人と言える方々ができたことがうれしく、

とても幸せでした。

 

花巻の絵、そして宮沢賢治さんの世界を描いた絵が

もっとたくさんできてきたら、

是非花巻で展覧会を開かせていただきたいと思いました。

 

この後は

イーハトーブ館横にある牡丹園を通って

市街地まで10㎞近く歩きました。

途上で絵にしたいと思う場所はたくさんあり、

そのたび夢中で写真を撮りながら歩きました。

 

 

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途上の風景(現在制作中です。)

 

 

昼頃雨が降ったものの、

スケッチに影響はなく、

天の恵みを感じました。

 

次回に続く)

 

 

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宮沢賢治記念館

 

 

私はこれまでも3度花巻を訪れましたが、

いつもまず第一に行くところが、宮沢賢治記念館です。

賢治さんの世界、生涯、遺物等が展示紹介されており、

行くたびに何らかのインスピレーションをもらうことができます。

静かな館内には時々「星めぐりの歌」「種山ケ原」「精神歌」などが流れ、

心が自ずと深いところに向かいます。

 

このたび花巻にはスケッチをするのが目的で来たわけですが、

やはりまずは宮沢賢治記念館に行こうと思いました。

 

記念館は新花巻駅のほど近く、

花巻市街地の北東にある胡四王山の中腹にありますが、

花巻駅からバスで17分、

バス停から歩いて登って10分というところです。

 

でもバスは1~2時間に1便くらいしかなく、

時間が合わなかったので、タクシーで行くことにしました。 

 

旅館の前でタクシーを待つ間、

ぼんやり曇り空を眺めているとき、

(このころは各地で集中豪雨による被害が続出している時期でした。)

「あっ宮沢賢治さんがいる!」と思いました。 

 

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花巻に来ると、こんなものまで宮沢賢治さんに見えるから不思議です。

 

 

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なんとなく似てませんか?(右は「林風舎」で買ったしおり)

 

 

 

 

 

 

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宮沢賢治記念館入口にある「よだかの星」のモニュメント

 

 

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ガラスでできた「疾翔大力像」(1991年撮影)

(「疾翔大力」とは童話「二十六夜」に出てくる梟の菩薩)

これを作ったのは徳島出身の由水常雄さん(歴史研究者、ガラス工芸家)です。

 

記念館のベランダからは、

北上川が流れる雄大な景色が展望できます。

ここでその風景をスケッチさせてもらいました。

 

 

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「展望 宮沢賢治記念館より」B5(スケッチに後に水彩,パステルで色をつけたもの。)

 

 

さて、今年6月に開いた徳島県立文学書道館での展覧会のとき、

案内状とともに昨年刊行した作品集も

宮沢賢治記念館宛に送らせていただきました。

案内状には、立体作品「セロ弾きのゴーシュ」が使われていましたし、

作品集の中には「宮沢賢治の世界」という章も設けてあったからです。

その後、賢治さん関係の2つの作品を

新たにポストカードにしましたので、

 

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受付の方にお渡ししてから、

山の下にあるイーハトーブ館に向かいました。

 

 

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イーハトーブ館は

宮沢賢治学会イーハトーブセンターの活動拠点で、

展示場、ホール、売店、喫茶、図書室、講義室があります。

 

 

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図書室

 

 

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ここにも送らせていただいた私の作品集を

図書室で見つけることができ、とてもうれしく思いました。

 

 

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展示場では

「安斉重夫・鉄による賢治作品彫刻展 イーハトーブファンタジー」

が開かれていて、大きな刺激を受けました。

 

売店には

賢治さんグッズや本もたくさんあって、

ここでもたくさんインスピレーションをもらえました。

「風の又三郎」「月夜のでんしんばしら」「注文の多い料理店」

のお話の情景が次から次へと浮かんできて、

絵にしてみたいと強く思いました。

 

後に旅館でいくつもイメージスケッチをしましたが、

そのうち作品にしたいと思っています。 

 

 

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そのときのイメージスケッチをもとに制作中の「月夜のでんしんばしら」

 

 

 

ここで14:00頃、遅い昼食をとった後、

近くにある「童話村」へ行きました。

 

ここは1996年、

宮沢賢治さんの生誕百年の年に建てられた施設だそうで、

私は今回初めて訪れました。

 

 


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入口は銀河ステーション。

 

 

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広大な敷地に、妖精の小径、山野草園があり、

 

 

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「賢治の学校」という建物の中には

童話の世界が表現されていました。

 

中でも「セロ弾きのゴーシュ」「注文の多い料理店」のジオラマは

とても参考になりました。

 

 

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「賢治の教室」(ログハウス7棟)では

童話に登場する「植物」「動物」「星」「鳥」「石」について

学ぶことができるようになっており、

これらも童話を絵にする上ではとても参考になりました。

 

閉館時間の16:30までここで過ごし、

市街地まで歩いて帰ろうと思いました。

 

1991年に初めて花巻に来たとき、

妻といっしょにイギリス海岸、そして花巻駅まで歩いたことがあり、

途上の風景が、徳島のものと全く違う、花巻ならではのすばらしいものだった 

という思い出があるからです。

 

この日は一日曇り空でしたが、

歩き始めると、雲間から日も差し込んで、

美しいイーハトーブを満喫。

道々どんどん描きたくなって

7枚くらいスケッチをしました。

 

 

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道ばたの畑のあぜ道に入って(上のような場所を)

スケッチしているとき、

宮沢賢治記念館職員のIさんより

お電話をいただきました。

 

ちょうど私がスケッチをしていたとき、

車で通りかかられたそうで、

記念館に着いて受付の方から

私の絵はがきを見せられ、

お送りしていた作品集のことを思い出して

お電話をくださったということでした。

「よろしければ明日も是非」とお招きをいただき、

その後スケッチを続けながらわくわくした幸せな気持ちに浸りました。

 

 

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安野橋のふくろう

 

特に前回印象に残っていた安野橋からの風景は

今回もすばらしく、何枚もスケッチをしました。

 

 

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スケッチをもとに現在制作中の「猿ケ石川 安野橋より」2点(パステル・紙)

 

 

それからしばらく歩いて、日の暮れる頃、

前に来たときにはなかった

大きなショッピングモールに行き着きました。

 

 

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何年か前にできたという「銀河モール花巻」

 

ここで夕食をとり、買い物をしましたが、

さすがに疲れたので、ここから旅館まで(5~6㎞くらい)は

タクシーで帰りました。

 

次回に続く) 

 

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