思い出Ⅰ ―永遠への憧れ―

私は小さいころ、楽しかった日が時間とともに遠ざかることが悲しくて、ひとりで泣いていたことがあります。そのくらいにその日は輝いていたのです。そのくらいになつかしい日の中には何か大切なものがあったのです。

愛おしいそのもの…

大人になるにつれそれはどんどん私から遠ざかるように思えました。

そしてますます私はそれを追い求めるようになりました。

なつかしく感じる気持ち ― 「郷愁」とは有限の時空間の中で生きる私たちが、何らかの形で「永遠」とかかわるときに感じられるものだと思います。

「永遠」に惹かれ、それを追い求める心の動きだと思います。