思い出Ⅱ ―永遠につながる瞬間―

なつかしいものに惹かれる傾向はずいぶん小さい頃からありました。それはふるさとを失って彷徨う人のように、今はもう手に入らないものとして「過去」の方向に求め続けてきたのでした。

けれども私が求め続けてきたものは、「今、ここで」自分のものにすることができるのだということがわかるようになりました。

楽しかった日々、大切な人々、なつかしいものたちは、失われたのではなく、「今、ここで」会うことができるのです。

それはいつまでも失われることなく、私の中にあります。

私たちの日々の営みの中に「永遠」があります。時空を超える視点を持ちさえすれば、私たちはいつでもそれを感じることができます。それははかりしれない愛に包まれる瞬間です。

私の本当のふるさとは「今、ここに」あります。