新作をご紹介いたします。
「母に負われて」 2005~2008年作 木炭,水彩,パステル・紙 19.2×16.9 cm
小さい頃、母はよく私をおんぶしてくれました。
そうしてよく外を歩いたといいます。
近所の地理もまだよくわからなかった頃、
私をおんぶして歩くうちに、
帰り道がわからなくなったことがあったそうです。
私の家の前には、当時製糸工場の廃墟があり、
大きな煙突が残っていました。
その煙突はどこですかと、人に聞きながら帰り着いたといいます。
ほんとうに小さい頃のことなので、
記憶が残っているはずはないのに、
心の中には、そのときの空の色はこんな感じで、
町の雰囲気はこんなふうで...
というようなものが確かにあるのです。
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