鳴門の画家たち展 -ベニウズの三人-

徳島県立文学書道館での展覧会という大きなイベントが終わって後の

事務処理等も完了していない7月中旬、

1週間ほど宮沢賢治の故郷花巻にスケッチ旅行に行きました。

制作中心の生活にシフトするためのきっかけとするためです。

 

その途上、東京都千代田区一ツ橋にある

共立女子学園図書館1階展示室で開かれている

「鳴門の画家たち展 -ベニウズの三人-」を

見させていただきました。

(「ベニウズ」についての詳細は http://kazuhiko-yagi.com/news/2010/07/-6191218.html )

 

 

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ベニウズの三人というのは、

私の師、津田季穂(1899~1981)、

ベニウズ創立メンバーの一人であり、私の兄弟子でもある今井貞貴氏(1929~1988)

と私(1959~)です。

 

今井氏は鳴門出身ですが、

1952~1988年、共立女子中学校で美術教師として勤務されました。

そして現在、共立女子学園では

私の大学時代の親友N氏とU氏が美術の先生をしています。

 

共立女子中学高等学校では、

1990年の卒業記念品として美術品を寄贈されて以来、

作家本人や遺族、旧職員から美術品を寄贈される機会が増え、

それらを学園内に作られたギャラリーに展示して、

学生・生徒さんの鑑賞教育のためのみならず

一般にも公開するという特色ある取り組みをされるようになりました。

 

今井氏のご縁から、

昨年、師・津田季穂、そして私の作品も

コレクションに加えてくださったことも契機となって、

このたびの企画展開催の運びとなったわけです。

 

 

 

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図書館(4号館)入口、そして展示室入口

 

 

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向かって右2つは私の作品...

 

 

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今井氏の作品

 

 

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津田師の作品。画集等の資料も展示されています。

昨年コレクションに加わった「日の出」

(写真左。展覧会リーフレット表紙にもなっています。油彩・6号キャンバス。)は

特にすばらしい作品だと思います。

 

 

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19年ぶりに見た私の作品

「夕暮れ 鉄橋を渡る列車」と「夕方の動物園」

 

 

師、兄弟子の作品と共に並ぶと、

自分の作品のアラが目立ち、大いに反省もしましたが、

「自分は自分」という居直りもできたように思います。

 

N氏とU氏からは

「三人展だから三人の絵を」というリクエストがあり、

徳島県立文学書道館での展覧会の後、

この展覧会のために下のような絵を描きました。

 

 

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「徳島教会旧聖堂にて」  2010  水彩,パステル,色鉛筆 ・ 紙  18.3 × 23.1cm

 

 

 一つの絵の中に三人を描こうとして、三人にとって共通の場所はどこかと考えました。

それは徳島カトリック教会の旧聖堂以外にありませんでした。

そこは津田師が戦後に暫く住んだところであり、

(津田師は戦中にも徳島教会にいたことがありますが、

そのときの聖堂は1945・昭和20年7月4日の空襲で焼失。

1947・昭和22年12月に仮聖堂建立。

絵の聖堂は1948・昭和23年11月にできたものです。

津田師は1950・昭和25年から2~3年徳島教会離れの小屋に住んでいました。)

今井氏が洗礼を受けた場所でもあります。

(今井氏が洗礼を受けたのは1948・昭和23年3月28日ですから、

仮聖堂においてであったと思われます。

でもその後11月にできた聖堂には頻繁に足を運ばれたことと思います。)

私もそこで幼児洗礼を受け、毎日曜日家族で行きました。

(私が4歳の時、隣に新しい(現在の)聖堂が建ち、後に旧聖堂の場所に司祭館が建ちました。)

 

絵の空間は昭和30年代前半頃の聖堂内部です。

津田師の姿はその頃のもの。

津田師の後ろにいる子どもはその頃の私です。

右側の私は津田師に弟子入りした高校の頃の姿にしました。

一番苦労したのは今井氏です。

もうちょっと若い頃の姿にしたかったのですが、

その頃の資料がなく、

N氏に送ってもらった写真と、画集に載っている自画像を参考にしました。

私が今井氏に会ったのは数えるほど(2~3回)で、

印象ははっきり覚えていますが、

お顔をイメージできるほどではありません。

それでできるだけ資料に忠実にあろうとしましたが、

光線の具合など想像するしかなく、

似ているかどうか全く自信がありません。

今井氏をよくご存じの方々には、

そのあたりの事情をお察しの上、お許しくださいますよう願い申し上げます。

 

 

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徳島カトリック教会旧聖堂(1948年頃)

 

 

「鳴門の画家たち展 -ベニウズの三人-」は

12月18日(土)まで開かれていますので、(日曜・祝日閉館)

是非ご高覧くださいますよう、お願いいたします。

 

最後になりましたが、

こんなすばらしい企画展を開いてくださった共立女子中学高等学校の皆様、

そしてN氏、U氏に心から感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

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