新作「追憶の道」

 

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「追憶の道」 2011 パステル・紙 27.0×16.0㎝

 

 

描き始めたのは昨年の9月ですが、

今年10月頃仕上げました。

 

私は、なつかしさを感じさせるものに惹かれ、

そのようなものを描いてきました。

 

この作品もそのうちのひとつとは言えるのですが、

過去の景色を描いたものではなく、

この風景は今もこのとおり実在します。

(JR蔵本駅東踏切付近の風景です。)

 

道行く自転車の人は、

過去の記憶に照らし合わせて、

父と子どもの頃の私にしましたが、

(父が自転車の荷台に乗せてくれて

いろんなところに連れて行ってくれたことは

私にとって大切な思い出になっています。)

この風景は過去のものではありません。

 

私の描く絵の多くはそのようなもの

―「今」を描いたものです。

 

けれども多くの方々が絵を見て

「なつかしく感じた」と言ってくださいます。

 

「なつかしい」という言葉は、

慣れ親しむ意味の「なつく」が形容詞化して

できたものだそうです。

 

「慣れ親しみたい」「身近に置いておきたい」「手放したくない」

というような感情表現で用いられたもののようで、

つまりは「幸せな記憶」と結びつくものだと思います。

 

だからたとえば小さい頃の「幸せな記憶」を思い起こさせる、

そのとき見た風景とよく似た風景を見ると

「なつかしく」感じるのでしょう。

 

けれども、私たちの身のまわりの風景は

どんどん変化しています。

 

私くらいの世代の人々が感じる「なつかしい景色」と、

今の若い世代の人々が感じる「なつかしい景色」は、

きっと違っていることでしょう。

 

だから誰にとっても「なつかしい景色」などは

ないと言えるかもしれません。

 

少なくとも町の様子など、人工的なものについてはそうでしょう。

 

それでも私は「普遍的ななつかしい景色」って

あるのではないかと思っています。

 

時代を超えて変化のないもの...

 

それは「光」です。

 

光と影がもたらす視覚的効果です。

 

究極の幸せ―最も深い記憶である「心のふるさと」=「真我」=「宇宙意識」=「神」

を思い出させる「微妙な光と影の効果」を描いていきたいと思います。

 

 

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